日本のクラスター爆弾廃棄が終了しました

多くの不発弾が残り、戦争が終わっても民間人に多くの被害を生み出すクラスター爆弾は「第二の地雷」とも呼ばれています。これまで、自衛隊もこのクラスター爆弾を保有していましたが、防衛省はクラスター爆弾の廃棄が完了したと2月10日に発表しました。

クラスター爆弾は、大きな爆弾型の入れ物に多くの子爆弾が入っています。爆撃機などから投下されると空中で破裂し、子爆弾が広い範囲にばらまかれます。

クラスター爆弾は、広い範囲にばらまかれるため、戦争に直接関係のない人々が被害に遭うことがとても多い兵器です。クラスター爆弾の被害に遭うと、死亡する確率も高く、命が助かったとしても手や足を失ったり、体中に傷跡が残ったりと、深刻な障がいが残ります。 また、子爆弾が不発弾となって残ることが多く、この不発弾は地雷と同じように、半永久的にその力を持ち、人々を危険にさらします。つまり、戦争が終わった後もクラスター爆弾の被害に遭う人が絶えないのです。子爆弾は鮮やかな色や形をしていることが多く、子どもたちが興味本位で手をふれてしまい、被害に遭うことも多いです。

クラスター爆弾はこれまでにアフガニスタン、イラク、シリア、レバノン、カンボジア、ラオスなど約40の国と地域で使われ、2014年には、シリア、南スーダン、ウクライナで使用されました。

P-MACでは、地雷と同様の被害を生み出すクラスター爆弾の禁止を訴えて「クラスター爆弾禁止キャンペーン」を行っています。

2010年にはクラスター爆弾の生産、保有、使用、輸出入などを禁止する「クラスター爆弾禁止条約」が発効しました。P-MACでも条約の成立や発効にに向けて国際社会と連携して様々なアピールを行いました。

条約では批准国に、保有しているクラスター爆弾の8年以内の廃棄を定めています。日本もこの条約を批准しているため、廃棄作業を進めていました。そしてこのたび1万4千発の廃棄が終了しました。

現在、89ヵ国がこの条約を批准しています。世界中で保有爆弾の廃棄、除去活動が進んでいます。一方で多くのクラスター爆弾を保有しているアメリカ、ロシア、中国、イスラエルなどは条約に参加していません。

1998年に発効した「対人地雷全面禁止条約」には、現在は世界の80%以上の国が批准しています。条約ができるまでは世界中で深刻な被害を出していた地雷ですが、多くの国が地雷を禁止したことで、新たな地雷使用や被害者数は減少を続けています。また、国際社会の地雷廃絶の流れもあり、条約を批准していなくても地雷の使用を止めている国もあります。同様にクラスター爆弾の廃絶に向けて、より多くの国が条約に参加することが重要です。

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