2013年の地雷問題と世界の動き

昨年12月に「ランドマインモニター2014」が発表されました。

ランドマインモニターはネットワークNGO地雷禁止世界キャンペーン(ICBL)が各国の対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)の加盟状況、地雷被害、地雷の使用、地雷除去の状況などをまとめたもので、年に1回発行されます。「ランドマインモニター2014」は2013年の1年間の報告です。毎年出される報告を確認すると、世界の地雷問題の現状が見えてきます。 ランドマインモニターの内容と最近のオタワ条約に関係する動きをまとめました。

オタワ条約加盟国

2014年12月現在、対人地雷の生産、使用、保有、輸出入などを禁止したオタワ条約に162ヵ国が加盟しています。2014年には未加盟国の1つで多くの地雷を保有しているアメリカが、将来オタワ条約に加盟するために対人地雷の生産や入手を禁止し、保有地雷の廃棄と朝鮮半島以外での地雷使用を禁止する方針を発表しました。

地雷大国と言われる国の1つ・アメリカがオタワ条約に加盟することは他の未加盟国にも大きな影響を与えますが、アメリカはオタワ条約への具体的な加盟時期は表明していません。また、長年アメリカは朝鮮半島での地雷使用のためにオタワ条約へは加盟できないと言い続け、今でも「朝鮮半島以外での」地雷使用を禁止となっています。

対人地雷の使用

世界の80%以上が条約締約国となり、地雷の使用は激減しましたが、最近も地雷が使われています。「 ランドマインモニター2014」で報告されたのはこちら

・2013年9月から2014年10月の間にはオタワ条約未加盟国のシリアとミャンマー/ビルマの政府軍が地雷を使用
・ナゴルノ・カラバフ(アゼルバイジャン西部の地域)での使用
・2014年初めのウクライナ政府軍とロシアが支援する分離派との紛争で地雷が使用された疑いがある
・アフガニスタン、コロンビア、リビア、ミャンマー/ビルマ、パキスタン、シリア、イエメンの非政府武装グループが地雷や地雷に似た簡易爆弾を使用

保有地雷の廃棄

オタワ条約加盟国はこれまで保有していた対人地雷を加盟後4年以内に廃棄しなければなりません。これまでに世界で4,800万個の地雷が廃棄され、2013年の1年では100万個以上が廃棄されました。

・廃棄の期日を過ぎたベラルーシ(期日:2008年)とギリシア(2008年)、ウクライナ(2010年)では廃棄処理が終了せず条約違反になっています。

2014年、条約未加盟国の中国とアメリカが保有地雷数を発表しました。中国(これまで1億個の対人地雷を保有すると推定されていた)は保有数を500万個未満、アメリカ(これまで1,000万個を保有すると推定された)は約300万個としています。

被害者

2013年の1年間に判明しているだけで55の国と地域で3,308人が被害にあっています。被害者数の記録がある1999年以降、被害者数は減少していますが、このほかにも報告されていない被害者もいるため、実際にはより多くの被害者がいると思われます。

2013年に被害者が100人以上の国
アフガニスタン 1,050人
コロンビア 368人
パキスタン 219人
シリア 201人
イラク 124人
カンボジア 111人
イラン 107人
ミャンマー/ビルマ 101人

対人地雷は命を奪わず手や足などの体の一部に障がいを負わせるようにつくられているために、地雷汚染国では長年の地雷被害により多くの障がい者が存在します。多くの国で被害者の社会復帰や権利を守るための対策をとっていますが、より多くの被害者がサポートを受けられようにする必要があります。

対人地雷汚染国と地雷除去

2014年10月現在56の国と4つの地域に地雷が埋められています。その他の6つの国でも地雷が埋められている疑いがあります。

2013年の1年間で、世界では少なくとも185㎢の土地が地雷除去されました。その結果、275,000個の対人地雷と4,500個の対車両地雷が処理されました。そのうち75%はアフガニスタン、カンボジア、クロアチアで行なわれました。

2013年にはブータン、ハンガリー、ベネズエラが全ての地雷原を除去したことを発表しました。2014年4月にはブルンジが除去を終了しました。

「ランドマインモニター2014」はこちらから見ることができます。(英語です)
Landmine Monitor 2014

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