今、地雷被害者が増えています

昨年12月「Landmine Monitor(ランドマインモニター) 2017」が発表されました。ランドマインモニターは地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)が各国の地雷に関する情報をまとめたもので毎年発行されています。ランドマインは英語で地雷という意味です。それによると2016年の1年間で判明した地雷や不発弾による被害者数は8,605人。残念なことに2000年以降でもっとも多くの被害者が報告されています。

164ヵ国が地雷を禁止

現在世界中に残っている多くの地雷は1970~80年代に世界各地で頻発した内戦の時に埋められました。内戦終結後も多くの国で地雷が残り、復興の妨げとなったり戦争と関係のない人々が被害にあっています。

地雷被害を食い止め、そして新たな地雷が使われないように1997年「対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)」が成立しました。2018年3月末時点で164カ国が加盟しています。多くの国が地雷の使用や生産を禁止し、地雷除去や地雷原のそばに暮らす人々への地雷回避教育が進むにつれて、新たな地雷被害者数は減少していました。

紛争国で地雷被害が頻発

2014年まで減少を続けていた被害者数は2015年以降急増しています。かつての紛争国では被害者数は減っていますが、今も紛争が続くアフガニスタン、リビア、ウクライナ、イエメンなどで被害者が増え続けています。

地雷被害者が100人以上の国(2016年)

-イエメン(2,104人)
-アフガニスタン(1,943人)
-リビア(1,610人)
-ウクライナ(785人)
-シリア(435人)
-ミャンマー(298人)
-パキスタン(161人)
-マリ(114人)
-イラク(109人)

これはそれぞれの国で確認できた被害者数です。紛争が続く国では被害者数や死因を特定することがとても難しいため、実際にはより多くの被害者が存在すると思われます。そして、被害者の78%は戦争とは関係ない一般市民、そのうち42%は子どもです。

今も地雷が使われている

また、これらの国では新たな地雷も使われています。ミャンマーとシリアの政府軍が、そして少なくとも9ヵ国(アフガニスタン、イラク、リビア、ミャンマー、ナイジェリア、パキスタン、シリア、ウクライナ、イエメン)で武装クループが地雷を使用しました。

私たちが地雷除去を支援しているカンボジアでは1992年頃に地雷除去活動が開始されました。25年以上経つ今も多くの地雷が残され、被害が続いています。地雷は一度埋められると何十年にもわたり被害を出し続け、地雷除去には膨大な労力とお金が必要です。そして、被害にあっているのはほとんどが一般市民です。

多くの人々を傷つけ戦後復興を妨げる地雷の使用停止、そして紛争そのものの一刻も早い終結を望みます。

地雷問題について詳しくはこちらをご覧ください。

地雷の基礎知識(2017年版)

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