ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACは、募金活動で地雷除去に必要な資金を集めるほか、現地カンボジアを訪れるスタディツアーを実施し、実際の地雷除去の様子を学ぶとともにそこに住む団体や人々と交流をしています。
また、地雷問題のことを少しでも多くの人に知ってもらえるように「なんだろう地雷出前教室」と称し、地域の集まりや学校など、依頼を受けた先で授業をおこなっています。
今回、多摩市立の中学校より依頼があり、2週間後に卒業を控える3年生約100名を対象にスタッフの大下圭佑が授業をしました。
この中学校からの依頼は昨年に引き続き2回目。
実は出前教室を依頼してくれた先生はピースボートクルーズ乗船者。そのため事前に、ピースボートとはどんな団体なのか、なぜ自分がピースボートに乗船したのかといった説明を生徒たちにしてくれていました。
出前教室が始まりスライドを使用しながら、地雷を使用する目的や実際の被害について、どんな国で使われているのか、など地雷の基本的な仕組みや歴史を説明します。
もし校庭に地雷が埋められていたとしたら、埋められた数がたとえ1つだったとしてもそれがどこかわからない間は怖くて校庭で遊べないこと、もしそれが道だったとしたらそれ以上先には進めないことなど、身近な学校を例にした説明に生徒たちも真剣に耳を傾けます。
また、地雷を実際に生徒たちに触ってもらいました。火薬や信管が抜かれ爆発しないとはいえ、おそるおそる手に持ち隣の子へ渡す姿やスイッチを押してみる姿が見られました。

そして「地雷は1つ300円ほどで作ることができます」という説明に対して生徒たちからは「自分のお小遣いでも買えちゃう」といった驚きの声が上がりました。
安価だからこそ何百万個という数が製造され、多く使用できてしまったことや、どこに使われたのかわからないので地元民に聞き取りをしながら地雷原を特定していること、地雷は人を殺すためではなく”傷つける”ことを目的としていることなども、今回の授業を通して知った生徒が多くいました。
・ニュースになっていないけれど、今も地雷の被害に遭っている人がいることなど今日知ったことを周りの人に伝える
・地雷除去費用は1㎡あたり約100円。地雷除去のための募金をする
「私たちにできること」として、すぐにでも行動できる大切なことを最後にまとめとして伝え、50分の授業は終了しました。
生徒たちが書いた感想文では、「地雷の怖さを知った」というもの以外にも「100円でいいのならジュースを買うつもりで募金してみようと思う」「今日教えてもらったこと以外にも、自分にできることがないか調べてみる」といった次のアクションを考えたものが多くありました。
「地雷は地震で爆発しないのか」「アメリカやロシアはなぜオタワ条約※に参加しないのか」といった深掘りする質問も寄せられ、難しい内容にも関わらず授業を真剣に聞いていたことが伝わる内容でした。
※オタワ条約とは「対人地雷全面禁止条約」の通称で、世界中のNGO団体のネットワークの働きかけにより1997年に成立しました。条約の中で対人地雷の使用、貯蔵、生産、移譲を禁止するほか、埋設地雷の除去、被害者支援を進めることを定めています。

「なんだろう地雷出前教室」はご依頼いただければ、地雷模型や写真を持って全国どこへでもお伺いします。
橋本舞
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