こんにちは。ピースボートの德永涼子です。
7月10日、千葉県我孫子市の真栄寺で「なんだろう地雷出前教室」を開催しました。近くにお住まいの地域の方々を対象に行い、40名ほどの方にご参加いただきました。
地雷教室の様子をご紹介します。
地雷をなくすためにまずは知ることから
お寺での実施ということで開講前にお経を読みました。そして、ピースボートの大下圭佑と河合由実が地雷問題について講演しました。
会の中では、ピースボートの紹介、地雷問題について、P-MACが支援をしているカンボジアの様子についてお話ししました。
また今回は、第99回ピースボート(2018年)でカンボジア地雷問題検証ツアーに参加者として現地を訪れた河合が当時の体験について話しました。
この日はとてもいい天気で、セミが元気に鳴いているような暑い日ではありましたが、終始集中して話を聞いてくださいました。地雷教室では実物の地雷を持って行って、参加者に触ってもらっていますが、手に取った地雷をまじまじと見つめるみなさんの視線が印象的でした。
大下は、今も世界にはたくさんの地雷が埋まっていて、被害が相次いでいること、被害数が多く、長く続いている問題が故にニュースなどで報道されにくいということを紹介。だからこそ自宅に戻られた際にはご家族の方に話すなどして、地雷問題があることを広めてほしいと、参加者に訴えました。
終了後には、「地雷がなぜ使用されたのか理由を知って、知らないことばかりだなと気づかされた。子や孫に話してみます」とお声かけいただく方もいました。
近くても遠くても、大切な存在
この地雷教室を主催してくださった真栄寺の副住職である馬場弘道さんは、実は2011年にあった第73回ピースボート地球一周の船旅に乗船されて、その際にカンボジア地雷問題検証ツアーに参加された方です。ツアー参加時に体感した地雷の恐怖についてお話ししてくださいました。
「(地雷除去現場では)防弾チョッキを着て歩くのだが、一歩踏み出すのが怖いんですよ。私たちが歩く道は(地雷が)除去されていて、安全だと頭では分かっていても、人が歩いたところの後しか歩けないんです。その道をみんな下を向いて歩くのです。当時の内戦を肌で感じました」
また、P-MACが地雷除去と学校建設を支援したコーケー小学校で子どもたちと交流した時のことも語ってくださいました。
「ツアーに参加した際、私はけん玉を小学校の子供たちに持って行きました。その時は満足して帰りましたが、写真を見て気付きました。私がカンボジアの子どもたちにあげたのは、行く前に日本の子どもたちに教えていたときに使っていた『使い古し』のけん玉。
じゃあ日本にいる子どもたちには?そう、新しいけん玉を買ってあげたのです。帰国して写真を見て振り返ったとき、『支援』という形にいろいろな考え方をするようになりました。
仏教は『あなたを救いたい』という教えがあり、通ずるものがあるなと感じました。みんなが家族。一人一人近くても遠くても大切にするという考え。
身内をまずは1番に思うことが当たり前かもしれませんが、この考えを通すと一人一人との接し方が変わるのではないかと思います」
仏教の教えと通ずるお話に、会場にいるみなさんも最後まで聞き入っていました。
地雷問題を多くの人々に伝えるために
私は今回初めて、地雷教室に参加しました。これまで私は、ピースボートセンターでおこなっている「カンボジアから地雷をなくそう100円キャンペーン」の街頭募金活動に参加したり、P-MACのインスタグラムを担当するなど、地雷廃絶のための活動に関わってきました。
でも、カンボジア地雷問題検証ツアーに参加したことがないので、とにかく早くツアーに参加して、地雷問題を自分の目で見て、現地の方の話を自分の耳で聞きたいと思いました。そしてその私自身の体験を多くの人々に話すことで、地雷問題を伝えていけるようになりたいです。
今回の副住職さんのように、比較的近い距離にツアーに参加された大先輩がいることが分かったので、今後いろいろな方の体験も聞きたいなと思いました。
真栄寺の方々、そしてご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
德永涼子
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