村の未来を担う子どもたちのために学校ができること

カンボジアの地雷が埋まる村の先生たちによるチャレンジ

今回は、P-MACが支援を続けているスナハイ小学校の先生たちの取り組みを紹介します。学校なのでまずは勉強を教えることが最優先ですが、それ以外にもさまざまな課題があり、先生たちが工夫をこらして子どもたちに伝えています。

スナハイ小学校の先生たち

現在、スナハイ小学校には小学校1~6年生だけではなく幼稚園クラスもあって、合計250人の子どもが通っています。小学校には8人の先生がいて、それぞれの学年を担当しているのと、校長先生がいます。校長先生を筆頭に20代の若い先生たちです。

左が校長のパウ・ソッキーア先生

ごみはゴミ箱へ

スナハイ小学校の裏手にあるゴミ箱です。学校で出たごみはここに貯めて焼却します。

村の中では、ごみをその辺に捨ててしまいます。なので、家の前や広場なんかには多くのごみが散らばったままの光景が広がっています。昔は、ごみと言っても自然に帰るようなものばかりで、そのようなやり方でも不自由がなかったのかもしれません。でも今ではプラスチック包装が使われているため、捨てたものは捨てた状態のまま村中に散らばっています。

そのような環境で育った子どもたちも当然、その辺に捨ててしまいます。1年生で入学してきてから、先生たちはごみをゴミ箱に捨てること、教室や校庭を掃除してきれいに保つことを教えています。なので、2年生以上の子どもたちは率先してごみを拾ったり掃除するようになりました。

地雷に注意

子どもたちが見ているのは地雷や不発弾の写真が載ったポスターです。教室の中や校舎の外にも貼られています。スナハイ小学校は地雷除去をして安全になりましたが、村にはまだ地雷が残っています。子どもたちが事故にあわないように日々、先生からも地雷について伝えています。

この写真では右に校舎がありますが、左は草木が生い茂っています。その草木のすぐ奥は去年まで地雷原でした。P-MACは、この学校周辺の地雷原の地雷除去支援を2019年8月から今年2020年1月にかけておこないました。それでも学校正面にある道を隔てた向かいには、まだ地雷原が残っています。村全体ではほかにも地雷原があります。

子どもたちの生活圏内に今も地雷が埋まっています。地雷除去を進めることは重要ですが、そのためには資金と時間がかかります。学校で先生たちが地雷について教えることは、地雷事故を減らすうえでとても重要です。

手を洗おう

ピースボートは年に1~2度、スナハイ小学校を訪問しています。その時にせっけんを届けて子どもたちに手洗いを教えています。

村では子どもたちが体調を崩すことも少なくありませんが、周辺に医療サービスが受けられる場所はありません。衛生環境を整えることは大変重要なのですが、大人もふくめて手洗いなどは特に重要視していません。私たちがせっけんを届ける前から先生たちは、トイレや遊んだ後は手を洗うように指導していました。すこしずつ根付いていましたが、学校にはせっけんがありませんでした。

私たちが届けているのはLUSH(株式会社ラッシュ)のせっけんです。とてもよい香りがするせっけんを使うことで、子どもたちも楽しみながら手洗いするようになりました。「とってもいいにおいがして、洗ったら手がとてもきれいになったんだ!」と興奮しながら話してくれる子どももいるそうです。このプロジェクトをはじめて1年でこどもたちの体調不良は半減しました。

図書館をつくろう

昨年12月に小学校を訪問した時、校庭の片隅に建設途中の建物がありました。学校が休みの日に先生や協力してくれる保護者が一緒になって建物をつくっています。

校長先生は、いつも子どもたちが安全に楽しく学べる環境をつくることを考えています。そして、次に新しく取り組んでいるのが図書館をつくることです。わずかな学校運営費や先生個人のお金もつかって少しずつ材料をそろえて自分たちでつくっているため、とても時間がかかります。それでも、子どもたちが顔を輝かせて本を読んでくれることを望んで少しずつ、少しずつ、作業を進めていました。

これから子どもたちが生きていくために必要な教育

けん玉に挑戦するソッキーア校長

ソッキーア先生と話をしていると、本当に子どもたちのことが大好きで、子どもたちのために何ができるか、少ない資金の中でできることはなにか、と真剣に考えていることが伝わってきます。

この村の大人たちは、多くが内戦の時代に生まれ育ったり、貧しい生活をしてきて、教育を受ける機会は多くありませんでした。読み書きができる村人も少ないのが現状です。そんな村の小学校で、子どもたちに学ぶ楽しみや衛生問題、環境問題、そして地雷問題を教えることは重要です。

そして、大人たちの意識を変えることは難しいですが、子どもたちが学校で学んだことを家族に伝えることで、少しずつ大人たちに伝わり、いつか村に変化をもたらすものだと思います。先生たちの試みは、とても地道で根気が必要なものですが、子どもたちにとっても村の未来にとっても大きな意味があります。スナハイ村の人々の未来のため、今後も先生たちと協力しながら支援を続けたいと思います。

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