第90回ピースボート「カンボジア地雷問題検証ツアー」報告Vol.2

第90回ピースボート地球一周の船旅でおこなった地雷問題検証ツアー、参加者の後藤唯さんによるツアーレポート第2弾です。現在地雷除去と小学校建設をしてしているスナハイ村と11年前に支援したコーケー村を訪問しました。

ツアーレポートその1はこちら


スナハイ村

この日最初に訪問したのは、カンボジア北部タイ国境付近のプレアヴィヘア州にあるスナハイ村です。ジャングルの奥地にあるため道が悪く、4WDで向かいましたが、車のシートから体が飛び上がるほど、デコボコした道を進んで村に到着しました。

スナハイ村は、1986年から1989年まで軍事基地となり、戦闘のため多くの地雷や不発弾が残ったままとなっています。また、これまで土地を持たずに各地を転々としながら労働し、貧しい生活を送っていた人々が集まり、2005年にできた新しい村です。人々は移住してから周辺が地雷原だと知りました。

私たちは、スナハイ村の小学校を訪れました。学校に着くと、子どもたちが整列し手を振って歓迎してくれました。この日は日曜日。学校が休みにもかかわらず、100人程の生徒が集まってくれました。子どもたちが外国人と会うことはあまりないため、最初は少し緊張しているようでしたが、いっしょに遊んでいるうちにだんだん無邪気な笑顔を見せてくれるようになりました。

学校は木造1階建てで、薄い木板で区切り、2つ教室があるだけです。子どもたちが座ると教室はギュウギュウ詰めでした。また、外壁は覆われていないところもあり、雨風を遮ることができません。雨が降ると、雨が子どもたちに当たってしまって大変だとうかがいました。机やイスは木で作られたもので丈夫ではなったので、倒れて子どもがケガをしないか心配になりました。

現在、この学校に通う子どもは218人。村には小学校の年齢の子どもは355人いますが、学校設備の不備等の原因で学校に通えない子どももいます。ピースボートではスナハイ村の地雷を除去して、その土地に子どもたち全員が通える大きくて安全な学校をつくるために募金を集めています。

2m弱の長さの机とイスに5~6人の生徒が座って授業を受ける

日本では全員が無償で充実した教育を受けられ、ペンやノートがあるのは当たり前です。日本の教育がどれだけ充実しているのかを思い知らされ、感謝しなければならないと思いました。

コーケー村

次に訪れたのは、カンボジアのシュムリアップ州にあるコーケー村の小学校です。この土地も元々は地雷原でしたが、ピースボートの支援で地雷除去を行い、2005年に建設されました。現在、生徒数は1〜6年生で140~150人、先生は7人です。

学校設備は、雨風をしのげるしっかりとした教室、図書館、そしてバレーコートのある運動場、食堂がありました。図書館に置いてある本を見ると、絵本しかなく、もっと様々な本を置ければ子どもたちの心をより豊かにできるではないかと思いました。

この日は、私たちとほぼ年の変わらない20歳の校長先生と副校長先生と楽しい時間を過ごしました。校長先生に、私たちを生徒と見立てて授業をしてもらいました。先生が子どもたちを褒めるときに使う「アシャ―」という言葉に大盛り上がりしました。二人ともコーケー村出身ではなく、わざわざ遠くから来て、学校に泊まって働いているそうです。

親指を立てて笑顔で「アシャー!」

これまでピースボートでは、募金活動の他にサッカーボールを届けたり、現地の団体と協力して図書館の本や本棚などの支給も行いました。今後必要なものとしては、筆記用具とフェンスが特に必要とのことです。(フェンスは、学校の周りに埋まっている地雷から子どもたちを守るためのものです。)

スナハイ村と比べると設備は整っているように見えますが、地雷除去や様々な支援が引き続き必要だと思いました。

後藤唯

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