第92回ピースボート「カンボジア地雷問題検証ツアー」報告 Vol.2

第92回ピースボート地球一周の船旅でおこなった地雷問題検証ツアーのレポート第2弾です。今回のテーマは「現在を知る」です。

ツアーレポートその1はこちら

【現在を知る】約600万個の地雷が埋められている国 

カンボジアでは1979年以降、内戦の影響で6万人以上が地雷や不発弾の被害に遭いました。今も毎日、地雷を除去するための活動がおこなわれています。今回は、私達が見たカンボジアの「今」である、地雷除去についてお伝えします。地雷除去機関「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」の除去現場を訪れました。

地雷除去現場へ~地雷を埋めたのも人、除去するのも人~

地雷除去員が装着する防具を着けて、地雷除去作業中の現場を見学しました。

地雷除去現場の近くには赤いドクロマークの看板があります。これは地雷原がこの近くにあるかもしれないので危険と知らせるためのものです。
私たちが歩いている道は既に除去処理されていて安全とされている道でしたが、実際に一歩一歩、歩くことが怖いと感じました。
作業員は草木を刈りながら、少しずつ地雷探知の作業をしていきます。とても気が遠くなるような仕事です。除去作業中に地雷の被害にあう作業員もいると聞きました。

こちらは地雷除去のデモンストレーションの様子です。大きな四角い枠のようなものは金属探知機で、これで地雷が埋まっている大まかな場所を探します。

除去作業の後は、地雷の爆破作業を見学しました。

地雷は少量の火薬と発火装置を取り付けて爆破処理します。爆破装置のスイッチはツアー参加者の1人が押します。

爆破後、一瞬遅れて爆音が響きます。その音たるや想像以上の大きさです。
こんなものが地中に数百万個も埋まっているのか…と改めて地雷の恐ろしさと除去活動の重要性を体感しました。

カンボジア地雷対策センター(CMAC)~地雷をゼロにすることはできない、しかし被害をゼロにすることはできる~

シェムリアップにあるCMAC第4地雷除去部隊の本部を訪問しました。ここにはCAMCが除去した地雷や不発弾を展示する博物館が併設されています。

CAMCの活動や地雷について説明を受けながら、実際に除去した地雷や不発弾を見学しました。
地雷だけではなく不発弾もかなり多く埋められていること、地雷と言っても様々な種類や大きさがあるということを知りました。
参加者はそれぞれ自由に展示をみながら、疑問に思ったことをCMAC職員に尋ね、また近くにいた人と思っていることを共有したりと、各々が地雷問題について真剣に考える時間となりました。

地雷は未だに何百万個と残されていますが確実に被害は減ってきています。それは、CMACで働く人々の地雷の被害をなくしたいという想いと、日々の活動の成果だと思います。

カンボジアに埋められた地雷を全て取り除くことは不可能だと、CMAC職員も言います。でも、地雷除去を続けること、危険な場所を特定すること、人々に地雷の危険を伝えることで、地雷被害にあう人をゼロにすることを目指しています。
私自身、日本でP-MACの募金活動を微力ながら継続していきたいと思った瞬間でした。

Vol.3に続く

文:富岡あゆみ 写真:内田和稔

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