「カンボジアから地雷をなくそう100円キャンペーン」こぼれ話

カンボジア地雷対策センター(CMAC)のスタッフと支援をしているコーケー村を訪問

こんにちは。ピースボートスタッフの森田幸子です。

私はピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACに20年近く関わってきました。

P-MACの募金活動「カンボジアから地雷をなくそう100円キャンペーン」で地雷除去支援をしたすべての場所に行って、そこに暮らす人々と話したり、地雷除去員の活動を長年見てきました。

これまでの経験をまとめた記事を3つに分けて、ピースボートのウェブサイトに掲載しています。

こちらを読んでいただければ、カンボジアの地雷問題とピースボートの地雷除去支援の流れをわかってもらえるかと思います。以下のリンクからご覧ください。

「知りたい」から「なくしたい」へ・森田幸子と「カンボジアから地雷をなくそう100円キャンペーン」(Vol.1)

カンボジアの人々との交流・森田幸子と「カンボジアから地雷をなくそう100円キャンペーン」(Vol.2)

地雷被害は過去のものではない・森田幸子と「カンボジアから地雷をなくそう100円キャンペーン」(Vol.3)

記事には載せきれなかったものをもう少し、こちらでご紹介します。

その言葉は本当ですか?

地雷除去と学校建設を支援したコーケー小学校で交流

2005年にはじめて地雷除去と小学校建設を支援したコーケー村。この村には貴重な遺跡が残っていて、今ではガイドブックにも載っています。

遺跡に観光客が来るようになると、すぐ近くにあるこの小学校を見学に来る外国人も出てきました。村人が教えてくれました。

「いろんな人が学校まで来て村の状況を知ると、多くが『支援をしますね』『また来ますね』と言って帰っていきます。でも本当に戻ってきてくれたのはピースボートとほんのわずかな人たちだけ」

「支援をしますね」「また来ますね」と伝えた人にとっては、それは話の流れでなんとなく言ったに過ぎないのかもしれません。

コーケーはジャングルに囲まれた陸の孤島のような場所。周辺には多くの地雷が残っています。

ここに暮らす人々にとっては「支援をする」と言われることは大きな希望になりますし、それが実行されないことを知ったときには大きな失望に変わります。

支援をするにはお互いの信頼関係がとても大切です。だからこそ、軽々しく約束をしないように気を付けています。

なかなか会うことが難しい場所に暮らす人々と話をするときや別れるとき、発した言葉が結果的に嘘になってしまわないか、ちょっとひと息考えることができたらいいなと思います。

地雷除去員たちの暮らし

休日に昼食をつくる地雷除去員

P-MACが集めた募金は、地雷除去団体である「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」に受け渡して、地雷除去がおこなわれます。

作業をする地雷原はその時によって場所が変わるので、地雷除去員たちはその間、テントで暮らしたり、近くにある民家を借りて共同生活をしながら仕事をしています。

支援をしている村を訪問したとき、除去員たちが借りている家に招待され、昼食をごちそうになりました。

ここには外食できるような場所もないため、食事はすべて自分たちでつくっています。この日は作業が休みだったので、みなさんリラックスムードです。

各地を転々としながら、周辺には何もないところや地雷原の村で共同生活をしながら、危険な地雷除去の作業を続ける。

このような人々がいるからこそ、地雷除去を進めることができます。

地雷について教えなければならない小学校

地雷や不発弾について書かれたポスターを見る子どもたち

P-MACはこれまで、地雷除去をした土地に4つの小学校建設を支援してきました。

完成した小学校には地雷や不発弾についてのポスターが貼られています。

学校は安全な土地にありますが、村にはまだ地雷が残っています。子どもたちの通学路や遊ぶ場所、学校の周辺にも地雷原があります。

そのため学校でも、ポスターを貼ったり、先生が子どもたちに教えたりして、地雷の形や見つけた時には触らないことなどを伝えています。

地雷原の村では、学校で国語や算数を教えるのと同様に地雷についても教えなければなりません。

P-MACは、子どもたちやそこに暮らす人々が地雷被害に遭うことがないよう、小学校だけではなくその周辺や田畑、道路など、人々の生活の場からの地雷除去を支援しています。


今回は、カンボジアの地雷除去支援に関わることについて書きましたが、P-MACは地雷被害者への支援やスタディツアーの実施、地雷問題の啓発活動などさまざまな活動をおこなってきました。

そちらもまたの機会に、ご紹介したいと思います。

森田幸子
写真:内田和稔・ピースボート

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