4月4日は「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー(通称:国際地雷デー)」です。地雷への理解と関心を深め、地雷除去支援を呼びかけるために国連によって定められました。
1997年、「対人地雷全面禁止条約(通称:オタワ条約)」が成立しました。2022年2月末現在、164ヵ国が条約に加盟しています。未加盟は32ヵ国です。
世界の多くがこの条約に加盟することで、地雷が使われることが少なくなり、地雷除去や地雷被害者への支援も進みました。それでも、今も地雷被害は続いています。
この機会にみなさんに地雷について知ってもらいたいと思っています。
被害者の多くは戦争と関係ない一般市民
地雷は一度埋められると、誰かが踏むか地雷除去をしない限りは、半永久的にそこに残り続けます。戦争が終わり、人々が田畑を耕したり、仕事をしたり、なじみのある場所でいつも通りの生活を営んでいる中でも地雷の事故が起こっています。
現在、60の国と地域に地雷が埋まっていると言われています。ピースボートが地雷除去支援をしているカンボジアは、特に地雷汚染が多い(地雷汚染地域が100㎢以上と判明している)9か国のうちの1つです。
2020年の1年間には、判明しているだけで世界で7,073人が地雷や不発弾により被害に遭いました。今も紛争が続いている地域では、被害者のデータを集めることも難しいため、実際にはここに含まれていない被害者が多くいると思われます。
そして、被害者のうち80%が兵士などではない一般市民です。そのうち50%が18歳以下の子どもです。地雷被害者の多くは戦争とは関係のない人々なのです。
※地雷と不発弾は同じ土地に埋まっていることが多く、同様の被害を出し、除去作業も一緒に行なわれます。そのため、不発弾も含んだ情報となっています。
手作業でおこなう地雷除去
地雷を埋める作業はとても簡単です。でも、一度埋められた地雷を探し出して除去するのはとても時間がかかるのと同時に大変危険な作業でもあります。
地雷除去は、大型機械によるものや地雷探知犬を使った方法などもありますが、多くの場合は金属探知機を使って手作業で進められています。
広大な土地で金属反応を頼りに地雷を探し出す作業は膨大な時間と労力が必要です。そして、一歩間違えば地雷を爆発させてしまう可能性があります。2020年の被害者7,073人のうち27人は地雷除去員でした。
地雷は戦争中も戦争が終わっても、長年にわたって大きな被害を生みだします。地雷被害者や地雷原の近くに暮らす人々、そして地雷除去を進めている方たちと話すたび、地雷問題の深刻さを思い知らされます。
このような兵器が新たに使われることがないように願って止みません。
ウクライナでも地雷が大きな脅威
今世界の注目を集めているウクライナも世界で地雷汚染が多い9か国のうちの1つです。
第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして2014年からのウクライナ東部での紛争で、東部地域を中心に約7,000 km²の土地が地雷や不発弾により汚染されていると言われています。
大きな紛争直後である2017年にはウクライナで785人が地雷や不発弾の被害に遭い、2020年の1年間では277人が被害に遭っていて、これは世界で6番目に多い数でした。
今、ウクライナでは多くの人々が避難しています。これまでに埋められた地雷や不発弾が避難する人々の大きな脅威になる可能性があります。
そして、今回のロシア侵攻でクラスター爆弾が使用されました。クラスター爆弾も地雷と同様に一般市民にも大きな被害を出し、半永久的に脅威となる兵器です。
ピースボートは、ロシアの侵攻を非難し、クラスター爆弾の使用停止を求めています。くわしくは以下のリンクをご覧ください。
ロシアによる侵攻を非難しウクライナの平和を求めます
ウクライナにおけるクラスター爆弾の使用停止を求めます
みんなで地雷をなくそう
地雷除去には、先にも書いたように大変な時間と労力が必要です。そしてお金も必要です。
地雷除去にかかる費用は1㎡あたり約100円ということで、ピースボートはカンボジアの地雷除去のための募金活動「カンボジアから地雷をなくそう100円キャンペーン」を展開しています。
1998年の募金開始以来これまでに、100円キャンペーンで集まった募金で200万㎡以上の土地の地雷除去を支援し、1,000個以上の地雷や不発弾が処理されました。除去後の土地に4つの小学校と1つの保健所の建設も支援しました。
募金することで、私たちと一緒に地雷をなくし平和を取り戻す活動に参加しませんか?
くわしくはこちらのリンクをご覧ください。
ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACは、地雷もクラスター爆弾も戦争もない世界を目指して活動しています。
地雷をなくすため、まずは地雷問題を知ってください。そして、みなさんと一緒に地雷もクラスター爆弾も戦争もない世界をつくりたいと願っています。
※データは「Landmine Monitor 2021」(ICBL発行)を参考にしました。
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