核兵器廃絶を願って声をあげたすべての人に「ノーベル平和賞おめでとう!」
2017年ノーベル平和賞を核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が受賞しました!NGOピースボートはICANの国際運営団体の1つで、ピースボート共同代表の川崎哲がICAN国際運営委員もつとめています。
ピースボートではノーベル平和賞発表のパブリックビューイングをしていましたが、ICANの名前が呼ばれた瞬間、歓声につつまれ、同席していた被爆者の方々と喜びを分かち合いました。
ピースボートは2008年から被爆者と共に世界をめぐり被曝の証言活動をする「ヒバクシャ地球一周 証言の航海(おりづるプロジェクト)」を続けてきました。これまでに世界59ヵ国84都市以上でおこない、約170名の被爆者にご参加いただきました。
ICAN国際運営委員の川崎は受賞直後に以下のようなメッセージを発しました。
「この受賞は、核兵器の禁止と廃絶を願って、勇気をもって声を あげてきた全ての人たち、とりわけ、広島、長崎の原爆被爆者の皆様に向けられたものだと思います。 そして、世界中で行なわれてきた核実験や、核兵器開発過程で被害を受けてきた人たちにも向けられ てきたものだと思います。こうした核被害者の皆様のたゆまぬ努力と、私たち市民運動の協力、そして心ある諸政府の尽力により、本年7月、核兵器禁止条約が、国連で成立しました」
ICANは、100カ国以上にわたる450以上の団体が参加するネットワークです。被爆者をはじめとした核兵器の廃絶を願う世界中の市民の声と行動が、核兵器禁止条約成立の大きな原動力となり、多くの国を動かしました。この条約は122カ国の国と地域の賛成で採択され、核兵器の開発、保有、使用、核による威嚇を禁じています。
世界中の市民の力で禁止された対人地雷
ちょうど20年前、地雷廃絶国際キャンペーン(ICBL)がノーベル平和賞を受賞しました。当時、多くの被害者を生み出していた地雷を禁止しようと、世界中の市民が集まってできたのがICBLです。そして、1997年に対人地雷禁止条約が採択され、ICBLはこの年のノーベル平和賞を受賞しました。
核兵器禁止条約と同様、世界中の市民の力で成立した対人地雷禁止条約は現在、世界の4分の3以上の国が参加し、地雷の使用や被害者数はこの20年で激減しました。アメリカ、ロシア、中国など、多くの地雷を保有する国は条約に参加していませんが、現在はほとんどの国が使用を停止しています。
条約ができるまでは、日本も約100万個の地雷を保有していました。ですが条約に参加し、保有していた地雷を廃棄処分しました。
対人地雷禁止条約が成立し、多くの国が条約に参加することで、地雷は国際的に禁止された兵器となりました。そのような世界の変化が、いかに大国であろうと無視することができない大きな流れとなりました。
みんなで核兵器のない世界を
核兵器保有国や日本など、核兵器禁止条約に反対する国もあり保有国が参加しない条約に疑問の声もあります。これまで、保有国は少しずつ核兵器を減らしていく方針を示していましたが、現実には機能していません。
世界中の市民が働きかけ、多くの国が参加することで地雷を使えない兵器にした対人地雷禁止条約と同じように、核兵器禁止条約には大きな可能性があります。
世界中の市民の力によって成立した核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への確実な一歩です。
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