障がい者の社会復帰のための彫刻トレーニング
P-MACは2012〜15年にかけて、カンボジアの障がい者の職業訓練を支援しました。
現地NGO「アンコール障がい者協会(AAD)」は地雷被害者をはじめとした障がい者が社会的・経済的に自立できるように、木工彫刻トレーニングをおこなっています。
P-MACはAADと協力して、そのトレーニングに必要な資金の支援と彼らがつくった商品をピースボートの船で販売しています。
障がいのために学校に通えなかったリム・リエン
リム・リエンもそのトレーニングを受けた一人です。リエンは1歳の時にポリオを発症し、左足に麻痺があります。
中学校は遠くて通い続けることができず、途中でやめてしまいました。
それ以降は家の手伝いをするだけの毎日でしたが、20歳の時にAADの木工彫刻トレーニングを受けるようになって、生活が一変しました。
リム・リエンがトレーニングをはじめて1年目の2012年に会った時、「自分でできることが増えて楽しい。もっと彫刻の勉強を続けて、将来は学んだことを生かしたい」とうれしそうに語ってくれました。
他の障がい者の希望に
その後もトレーニングを続けて、今ではすばらしい彫刻家になりました。そして、今年からはAADの彫刻トレーニングの先生として活躍しています。
生徒は4人の地雷被害者や障がい者。これまで、障がいのために仕事につけなかったり、貧しい生活をしてきた人たちです。
彼らと同じような状況からトレーニングを受けて、今では彫刻家として仕事をしているリム・リエンの姿は、きっと生徒たちにとっても希望となるはずです。
リム・リエンは、最近美容師の研修も受けました。今年会ったときには本人もサムライヘアに変身していました。
そしてもう一つはじめたのが、車いすバスケットボール。
AADではこれまで足に障がいがある人のために、シッティングバレーボール(座ったままおこなうバレーボール)のチームを作っていましたが、新しく車いすバスケットもはじめました。
リム・リエンもメンバーとして練習を楽しんでいます。
10代のほとんどを家にこもって過ごした彼ですが、26歳の今は彫刻家として活躍する一方でさらに新しいことを学び楽しんでいます。
P-MACが支援をしたトレーニングがきっかけで1人の青年の人生をよりよいものに変えることができたことを本当にうれしく思います。
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