第87回ピースボート地球一周の船旅でおこなった地雷問題検証ツアー、参加者の大木百代さんによるレポート第2弾です。
シェムリアップ州立リハビリセンター
地雷被害者など手足を失った人や病気による奇形などの障がいを持つ人々に、義足や義手を作成してリハビリを行う施設です。義足や義手をつけて畑仕事など重労働でも問題なくできるまで共同施設で生活をするそうで、実際にセンターにいる方に、ここに来るまでの経緯を聞いたり、リハビリ中の生活風景を見学させて頂きました。
カンボジア政府が援助することで、すべてのサービスは無償で提供されています。地雷被害者はひざから下を切断した方が多く、地雷の被害の深刻さを感じました。被害者数の減少により、新たにやって来る地雷被害者の数は年々減り、近年カンボジアで深刻な問題になっている交通事故の被害者が増えています。
アンコール障がい者協会(AAD)
地雷で両足をなくしたセム・ソワンタさんが運営している職業訓練センターです。軍人時代に地雷で足を無くしてしまった経緯とその後のリハビリ、内戦時代に敵兵に命を狙われていたことなど、自らの体験を語っていただきました。
ソワンタさんは病院で働いた経験もあり、その時に戦争孤児がたくさん居るのを見て、自分の為に、みんなの為に、何が出来るのかを考え職業支援を思いつきました。地雷への恐怖からアルコール中毒になる事例も多く、また障がい者に対する偏見もあります。そのような生活から抜け出せるように精神的なフォローと技術を身につけて、自信を持つことが重要です。
ソワンタさんは昨年、ピースボートの招待で日本で講演会をしました。カンボジアでは、日常生活で舗装されていないデコボコの道での車いす移動などは大変困難で、日本では障がい者に対しての生活環境がかなり進んで発展していて羨ましいとおっしゃっていました。当たり前だと思っていたことに当たり前ではないと気づかされました。 昨年、日本でおこなった講演会でソワンタさんに会った参加者も居て、実際にカンボジアを訪れてくれたことに、とても喜んでくれました。
カンボジア地雷対策センター(CMAC)
地雷除去を行っているCMACのシェムリアップオフィスを訪れ、副所長のチュオンさんにカンボジアの地雷問題とCMACの活動、そしてP-MACが集めた募金が現地でどのように使われているかなどについて説明していただきました。あまりにも広範囲に地雷が埋められ、地雷をなくすための作業の大変さに驚きました。
CMACが除去した地雷や不発弾が展示された博物館も見学しました。中には旧日本軍が第二次世界大戦中に使った爆弾の不発弾もあり、ショックを受けました。
明日はいよいよ、地雷除去現場を訪れます。
コメントを残す